【聞こえるかな?】やさいのおしゃべり
きゅうりがきらいなれいちゃんが、
れいぞうこのまえをとおりかかると、
なにやらこえがきこえてきました。
「お2かいのれいぞうしつでも、
かまぼこさんや ハムちゃんが、
カビがはえるまで ほうって
おかれたりしているらしいよ。」
「3がいのれいとうしつは
もっとひどいらしいぞ。
3ねんまえのごはんが、
まだこおっているらしい……。」
それはやさいたちの
ひみつのおしゃべりだったのです。
(紹介文より)
ちょっとガサツそうなおばさんに買われたきゅうりくん。おばさんの家へ着けばその家の子ども、れいちゃんに「きゅうりは嫌い」と言われ、野菜室へ入れば先輩野菜たちはなんだか暗い顔……。さらに先輩野菜たちの話を聞いて、きゅうりくんはどんどん不安になってしまいます。でも、どうやられいちゃんにそんな野菜たちの話が聞こえてしまっていたようで――。
くすりと笑ってしまいそうで、冷蔵庫の整理整頓の出来ていない人にとっては耳の痛い、身につまされるような会話が次から次へと繰り広げられる本書。表紙の野菜たちはみんなニコニコしていますが、本文中はそうはいきません。大人も子どもも、彼ら野菜たちを表紙のような顔でいさせてあげなくては、と強く思わせてくれる1冊です。
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・作:泉なほ
・絵:いもとようこ
・発行所:金の星社
・サイズ:240x250㎜ (32ページ)
¥1,320