【やさしい気持ちで満たされる】ちいさなはくさい
広い畑の畝に、行儀よく並んで芽を出した白菜の子どもたち。でも、種が風に飛ばされてしまったのか、畑から少し外れたところにもぽつんと1つ、白菜の子どもが芽を出していました。やがて畑の兄弟たちはどんどん大きく立派に育ち、トラックに乗って八百屋に旅立って行きますが、畑のはずれにいる小さな白菜はいつまでたってもトラックに乗せてもらえません。
すぐそばに立つ柿の木に見守られながら、八百屋を夢見て大きくなろうと頑張る小さな白菜。そしてある日、小さな白菜はトラックのおにいさんにある言葉をかけられます。
この話、実は作者である工藤直子さんの実体験がもとになっているそうです。畑からはみ出して育った小さな白菜を、村のみんなが見守っていたのだとか。
健気にトラックを待つ白菜と、その姿を見守る柿の木や人間のやりとりに、心がじんわりと優しい気持ちで満たされる1冊です。
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・作:くどうなおこ
・絵:ほてはまたかし
・発行所:小峰書店
・サイズ:280x220㎜ (32ページ)
¥1,540